中級石油知識Q&A100



[ 組織など


   Q1 石油組合とは

   A1 全国石油業協同組合連合会は、全国石油協会を母体に1953年(昭和28年)に
      創立されました。
      「中小企業等協同組合法」に基づき全国47都道府県に設置された石油協同組合で
      構成されています。
      全国石油商業組合連合会は、1963年(昭和38年)に創立されました。
      「中小企業団体の組織に関する法律」に基づき全国47都道府県に設置された
      石油商業組合で構成されています。
      両者の設立目的は、石油製品販売業者の経済的・社会的地位の向上、地域社会に
      おける石油製品の安定供給等。
      全石商は指導・調査事業、全石協は経済事業を中心に活動しています。
      なお、47都道府県の石油商業組合に加盟する組合員数は、2001年(平成13年)
      3月現在、約26,400。


    










   Q2 石油協会の仕事

   A2 全国石油協会の前身は、1948(昭和23年)に設立された日本石油協会
      (翌1949年に全国石油協会に)で、1953年(昭和28年)に社団法人に改組され、
      石油販売業界の健全な発達と消費者の利益保護を目的に公益事業を実施する
      組織として設立されました。
      石油協会の中心的事業としては品質管理事業がある。
      「揮発油等の品質の確保等に関する法律」に基づく指定分析機関としてガソリン、
      軽油、灯油の品質確保のための事業を行っており、粗悪な石油製品の流通を
      チェックする等の消費者の安全、利益の保護に努めています。
      また、もう一つの大きな事業として、金融助成事業や利子補給やリース助成などの
      構造改善事業、特定石油製品施設放置防止等事業等、給油所経営を支援する
      事業が挙げられます。


    










   Q3 油政連について

   A3 1969年(昭和44年)、石油製品販売業者の経営の安定化、流通秩序の確立を
      図るため、「政治資金規正法」に基づく政治団体として設立。
      全国47都道府県に設置された石油政治連盟で構成され、全石商・全石協の行う
      政策活動を補完推進する組織として政治活動を行っています。
      また、自民党内に「一木会」(設立=1980年(昭和55年)、会長=林義郎衆議院議員、
      会員数=2002年(平成14年)6月現在10名)、「ガソリンスタンドを考える若手議員
      の会」(設立=1998年(平成10年)、会長=吉田六左エ門衆議院議員、会員数=
      2002年(平成14年)6月現在63名)といった石油流通関係議員の会もある。


    










   Q4 石油連盟とは

   A4 国内で事業活動を展開する石油精製・元売18社が加盟する石油メーカーの
      業界団体。
      会長は岡部敬一郎コスモ石油会長兼社長。
      石油産業の健全な発展を目的に、石油に関する知識の啓発及び普及宣伝に
      関すること、石油業に関する意見の発表および建議に関すること、内外石油
      事情の調査研究および統計に関すること、大規模石油災害対応体制整備事業に
      関すること等を主な事業として掲げています。


    










   Q5 元売の再編について

   A5 1999年(平成11年)11月のエクソンとモービルの合併に代表されるメジャーの
      世界的な再編や我が国の金融業界の再編、さらには石油製品価格の下落に
      よる経営悪化等から、我が国の精製・元売会社でも、日本石油と三菱石油に
      代表される再編に向けた動きが活発化しました。
      その結果、現在では、新日本石油(日石三菱)・コスモグループ、
      ジャパンエナジー・昭和シェルグループ、出光、エクソンモービルグループの
      4つのグループに集約されつつあると言えます。
      また、このような元売同士の提携以外にも、電力やLNGといった他の
      エネルギー事業での事業提携、資本参加も見受けられるようになっています。


    










   Q6 製油所の削減について

   A6 精製・元売各社は、合併等による再編を進める一方で、精製能力の削減にも
      取り組んでいます。
      製油所の閉鎖は、1999年(平成11年)3月末には昭和シェル・新潟製油所
      (トッパー能力=40,000バレル/日)、日本石油・新潟製油所(=26,000バレル/日)
      同年9月には日石三菱・川崎(=75,000バレル/日)、さらに2000年(平成12年)
      3月にはジャパンエナジー・船川(=1,000バレル/日)、2001年(平成13年)4月
      には和歌山石油精製・海南(=50,000バレル/日)、6月にはジャパンエナジー・
      知多(=100,000バレル/日)と続いています。
      これらのほか、トッパー能力の削減を加えると、精製能力は1999年(平成11年)
      4月の537万バレル/日から、2001年(平成13年)7月現在で495万バレル/日まで
      削減されています。(削減率7.9%)


    










   Q7 「石油の日」月間とは

   A7 全石連では、2000年(平成12年)より、毎年10月を「石油の日」月間として
      定めています。
      SSのお客様や地域住民等とともに石油についての理解を深めるために制定した
      もので、各組合では、10月に合せ、消費者向けに各種のイベント展開や広報活動
      に取り組んでいます。
      また、こうしたイベント活動の他にも、2001年(平成13年)には地方紙を用いた
      不正軽油に関する意見広告を一斉に展開するなどしました。


    










   Q8 SSの将来ビジョンについて

   A8 全石連の政策部会では、部会内に「石油流通業のあり方に関するワーキング・
      グループ」を設置し、特石法廃止以降の石油流通業を巡る環境変化を踏まえ、
      「特約店制度」をはじめとする石油流通構造が今後どのように変化し、販売業界
      はどのような経営方針を採用すべきなのか等を検証し、今後の販売業者の
      構造改革に向けた取り組みに対する一助とするため、2001年(平成13年)7月
      「石油流通業の構造改革ビジョン」を報告書として取りまとめました。
      本報告書では、今後の石油流通業の選択肢として、特約店で8類型、販売店で
      5類型の経営タイプを提示するとともに、各タイプの課題と打開策を提示。
      また、販売業界として消費者ニーズを踏まえ、自己責任に基づいた経営努力が
      重要とした上で、元売と特約店、特約店と販売店の関係に踏み込み、新しい
      相互関係の構築についても言及しています。
      報告書の全文は全石連のホームページ(コチラをクリック)からダウンロードできる。


    










   Q9 中小企業経営革新支援法とは

   A9 中小企業近代化促進法の廃止に伴い新たに1999年(平成11年)7月に施行
      された法律。
      法の趣旨は、中小企業が経済的環境の変化に即応して行う創意ある取り組みに対し、
      様々な支援策を講じることとしています。
      具体的な支援内容としては、以下の2つの支援策が用意されており、計画を作成し、
      承認を受けると、計画期間中、政府系金融機関による低利融資や信用保証・課税の
      特例など支援措置を利用することが可能となります。
              @ 経営革新計画:中小企業が、単独または共同で新商品の開発、
                新たな生産方式の導入等を通 じて経営の向上を図るもの。
                (計画策定主体は中小企業者、グループ等)
              A 経営基盤強化計画:競争条件や貿易構造の著しい変化等により、
                業況の悪化が見られる業 種に属する中小企業が経営基盤を
                強化するための対応を図るもの。
                (計画策定主体は特定業種に属する商工組合等)


    










   Q10 石油販売業経営高度化調査・実現化事業とは

   A10 規制緩和以降、厳しい経営環境におかれている石油販売業者に対して、
       ガソリン低価格時代の新たな業界構造への転換を促すために2002年度
       (平成14年度)より国の補助事業として行われています。
       本事業には、石油販売業者の経営の高度化・実現化のために行う
               @マーケティングリサーチ等事業
               Aセミナー等開催事業
               B経営コンサルタント等相談事業
               C実験・実用化試験事業
       があり、これらの事業を通じ、今後のSS業界の構造改善への取り組みを
       リードし得る事業者を育成し、また新たなビジネスモデルを確立することで、
       SS業界全体の構造改善を促すことを目的としています。
       なお、本事業は、石油組合だけではなく、共同出資会社、事業者グループも
       申請できます。