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石油豆知識
石油について
Q.石油はどのようにして誕生したの?A.数億年前の生物が残した遺産    
地球に生命が誕生したのは35億年前。はじめは海の中の微生物。 やがて酸素を必要とする生物が出現し、4億年前には、地球上に根を張る植物や、それを餌にして生活する陸上動物が現れました。その後、動物は大型化し、恐竜の時代を迎えましたが、彼らは今から6,400年くらい前に突如として絶滅してしまいました。 石油はこの頃までに地中深くでつくられていたといわれています。

ケロジェン根源説
石油のもと(源)は、海や湖で繁殖したプランクトンや藻などの生物体の死骸とされています。それらが土砂とともに水底に堆積して岩石となる途上、そのなかの石油を生み出すのに適した有機物が重合して、「ケロジェン(油母)」とよばれる複雑な高分子化合物になります。 石油は、このケロジェンを含む岩石(「石油根源岩」)が地中深く堆積するとき、地熱の作用をうけてケロジェンが熱分解して、石油系炭化水素となったものと考えられています。
これが、有機成因説のなかでも「ケロジェン根源説」とよばれるもので、石油誕生の最有力説となっています。
 
 
(1) 有機物と土砂の堆積   (2) ケロジェンの生成
 
(3) 熟成・石油の生成   (4) 石油の移動・集積
(背斜トラップ)
Q.石油はあとどれくらいあるの?A.原油の可採年数は43年
「石油(下入)があとどのくらいあるか」という目安のひとつとして、可採年数(R/P)が使われます。これは、ある年の年末の確認埋蔵量(R:Reserves)を、その年の年間生産量(P:Production)で割った数値で、1997年末でみると、可採年数は43年となっています。確認埋蔵量とは、すでに発見されている油田に埋蔵されている原油のうち、現在の技術と経済性で回収できる量であり、「これで石油がなくなる」ということではありません。

可採年数は現状並で推移
原油の可採年数は、20年以上も前から、30年を上回る年数となっています。今後、石油消費量が増えても、石油探査や掘削などの技術が進歩し、新規油田の発見や従来の油田からの回収率の向上が予想されるため、可採年数は現状並で推移するものと見込まれます。
Q.原油はどこからどのくらい輸入しているの?A.80%以上は中東地域から
わが国の原油の輸入先は、アラブ首長国連邦やサウジアラビアなど中東地域が圧倒的に多く、約83%(1997年度)を占めています。 国別には、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、イラン、カタール、クウェートの順になっています。 UAEからの原油輸入が多いのはUAEの原油がガソリンや灯油、軽油などをより多く生産でき、わが国の需要構造に適しているからです。また、OPEC諸国からの輸入は約83%を占めています。

輸入先の多様化、分散化
わが国は、78年の第二次石油危機以降、石油の安定供給確保のため、原油の輸入先を多様化・分散化する努力を続けてきました。しかし、中東以外の産油国の供給余力は、自国内の消費量の増加などにより低下しています。その結果、一時60%台まで減少した中東への依存度は、再び第一次石油危機時とほぼ同じ80%台となっています。
Q.国内で原油は生産されていないの?A.国内生産量はわずか80万キロリットル程度
わが国では、新潟県、秋田県を中心に原油の生産が行われていますが、その量はきわめて少なく、最高の生産量を記録した1993年度でさえ98万キロリットルたらずで、わが国の石油消費量の2日分にも達しません。 97年度の生産量はわずか84万キロリットルで、原油総供給量は2億6,833万キロリットルですから、国内自給率は0.3%にすぎません。

わが国近海開発への期待
わが国の周辺大陸棚およびそれに続く大陸斜面には、地質構造からみて石油・天然ガスを埋蔵している可能性の高い地域が多いとされ、71年から本格的な試掘が始められました。また陸上では勇払(北海道)、鮎川(秋田)で発見され、すでに生産を開始しています。
Q.中東から原油はどのように運ばれてくるの?A.20万トンクラスの大型タンカーを使用
わが国は島国ですから、原油は全てタンカーで輸入されています。東南アジア諸国からの輸入には、輸送距離が短い上に港湾施設の規模が小さいことから、7万トンから10万トンクラスのタンカーが使われていますが、中東諸国からの輸入には、20万トンクラスの大型タンカーが使われています。また、わが国最大のタンカー日精丸(48万トン、全長379m・幅62m)も、中東〜日本の航路に就航しています。

安全には最大限の配慮
中東から日本までは、約12,000キロメートルあり、20日程度を要します。途中にはホルムズ海峡やマラッカ海峡などの難所があり、最大限の安全対策が求められます。石油連盟では、万一のタンカーによる油濁事故に備え、マラッカ海峡に面したシンガポール、マレーシア、インドネシアと、ペルシャ湾内の2ヶ所の合計5ヶ所にオイルフェンスや油回収機を配備した油濁防除資機材基地を設置しています。
Q.ガソリンや灯油などの石油製品は、どのようにつくられるの?
ガソリンや灯油、軽油などの石油製品の原料を「原油」といいます。 原油は、精油所でそれぞれの用途に適した石油製品につくりかえられます。 まず、原油は加熱炉で約350Cに熱せられたのち、常圧蒸留装置(トッパー)に送られ、この常圧蒸留装置のなかで石油蒸気となります。その後冷やされ、沸点の低いものから高いものへと順番に、いろいろな石油製品のもととなる基材に分けられます。この操作を「蒸留」といい、分けられた石油製品となる基材を「留分」といいます。

いろいろな装置を使ってより高品質な石油製品に
常圧蒸留装置で分けられた留分は、沸点の低いものから順にガソリン(またはナフサともいう)留分、灯油留分、軽油留分、残油(常圧残油)に大別されます。 最も沸点が低く、液化しない石油ガス留分は別に取り出されます。これらの各留分は、さらにいろいろな装置によって科学的・物理的に精製および処理され、それぞれの用途に適した精製度の高い、より高品質な石油製品になります。
Q.自動車ガソリンは、どのようにつくるの?A.あらゆる性能を満たす自動車ガソリン
自動車ガソリンは、車が走るために必要とされるあらゆる性能を満たさなければなりません。特に最近は自動車の性能が一段と向上してきたため、自動車ガソリンに求められる条件も厳しくなってきています。 具体的には、
1・アンチノック性がよい(加速する時や坂道でノッキングを起こさない)
2・エンジンの始動性がよい(冬場の低温時でもエンジンがすぐかかる)
3・加速性がよい(アクセルを踏み込んだとき順調な加速性が感じられる)
4・夏場の高温時にベーパーロックを起こさない
5・ドライバビリティがよい(長時間の運転でも、快適な運転性が得られる)
などです。 自動車ガソリンの運転性や安定性などの性能に加え、自動車排ガスが環境に悪影響をおよぼさないことや、燃費のことも考えなければなりません。

実は数種類のブレンド品
自動車ガソリンは、始動性を確保するための形質ガソリン留分や、オクタン価維持のための中質または重質ガソリン留分などがバランスよく含まれていることが必要です。 具体的には、軽質・重質直留ガソリン、改質ガソリン、分解ガソリンなどで、この他にMTBEなどのオクタン価向上剤や洗浄剤なども加えられています。このように、自動車ガソリンは、数種類の基材を混合・調整して、高性能の製品がつくられているのです 。
Q.石油の消費量はどのくらいなの?A.国民一人当たり1日5リットル
わが国の1997年度の石油消費量は、約2億9,700万キロリットルでした。このうち、原油、LPガス、潤滑油などを除いた石油製品の消費量合計は、約2億4,300万キロリットルで、1日当たりに換算すると、約67万キロリットルになります。これは東京ドームの2分の1の容量に相当します。 国民一人当たりの消費量は、年間約2キロリットル(ドラム缶10本分)、1日当たりでは5リットル(牛乳パック5本分)にもなります。

わが国の石油消費量は世界第2位
わが国はアメリカに次ぎ世界第2位の石油消費国で、世界全体の7.8%を消費しています。日本では、石油の99.7%を輸入に依存しており、石油の安定的な確保は、経済活動や国民の生活にとって最も重要な課題となっています。
Q.GS(ガソリンスタンド)はどのように変わるの?A.規制緩和を契機にGSは競争の時代へ
わが国のGSは、モータリゼーションの進展とともに、ガソリンなどの給油、タイヤやバッテリーなどの自動車関連商品の販売拠点として飛躍的な発展を遂げてきました。 しかし、石油産業の規制緩和を契機に、スーパーのGS事業への参入、全農・大手商社のプライベートブランドの展開などGSをめぐる経営環境が変化するなか、石油流通市場では激しい価格競争が続き、GSは厳しい経営に直面しています。 このなかでGSが生き残るためには、「サービス充実型」、「量販指向型」、「多角経営型」があるといわれていますが、個々のGSの立地条件、顧客層、経営者の考え方などに応じて、それぞれの個性を発揮していくことが必要となってきています。

多様化するGS
GSは1987年の消防法の改正や96年に石油製品輸入自由化などの規制緩和を契機に、ファーストフードやコンビニ、カーショップ、ドライクリーニング店の併設など、いろいろなサービス機能を持つものが登場してきました。 さらに、98年4月から有人セルフGSが解禁されたこともあり、今後、GSの業態は一段と多様化していくとともに、競争激化に伴うGSの統廃合、再配置、撤退などの動きも出てくるものとみられています。
Q.セルフGSってなに?A.GSの給油形態のひとつ
GSにはいろいろな形態があり、従来の給油方式(フルサービス)に加え、完全無人セルフ給油方式と監視員つきセルフ給油方式(有人セルフ)があります。この他に1ヶ所のGSにセルフ給油方式と従来の給油方式が混在した形態でドライバーが自由に選択できる方式もあります。

有人セルフGSが解禁
これまでわが国では、セルフ給油方式は認められていませんでしたが、規制緩和の流れのなかで、消防庁に設置された検討委員会で安全・保安面からの検討、実証実験などが行われました。 その結果、監視者の常駐、固定消防設備の設置などの安全対策を条件として、98年4月からわが国でも有人セルフGSが解禁となりました。 この結果、ドライバーには選択肢が広がり、GS経営者にとってもガソリン販売戦略を見なおす契機となりました。 有人セルフGSの解禁により、人件費の削減は期待されますが、安全対策にコストがかかることなどから、セルフGSはある程度の時間を経て次第に普及していくものと予想されます。
Q.灯油は家庭でどれくらい使われているの?A.使用量は地域によってさまざま
灯油は、その約66%が家庭用の暖房燃料として使用されています。最近では、家庭用暖房機器や風呂用・給湯用機器に加え、戸建て住宅・集合住宅用システムの普及などによって、灯油の利用範囲は広がっています。 灯油の一世帯当たりの月間消費量を地域別に比較すると、1996年10月〜97年3月で、北海道229リットル、東京都48リットル、大阪府39リットルで、北海道は東京都の約5倍となっています。

北海道では500L型タンクが一般的
北海道など寒い地域では、灯油を長時間かつ多量に消費するため、500リットル程度いわゆるホームタンクが多く設置されています。 灯油の貯蔵は、消防法では1,000リットル未満についてはホームタンクなどの容器の使用が認められていますが、その数量は火災予防条例の運用により地域によって差があり、北海道では500リットル未満、東京では200リットル未満であれば、消防署への届出なしで設置できます。
Q.「灯油エアコン(KHP)」ってなに?A.灯油で冷暖房
灯油エアコン(Kerosine Heat Pump:KHP)は、灯油エンジンでコンプレッサーをまわして業務用施設の冷暖房を行うもので、自動車のエアコンと同じ仕組みです。灯油を燃料にしたエンジンを使う以外は、一般的な電気エアコンと基本的な仕組みは同じです。

高い経済性
灯油エアコンは、灯油を燃料とするため経済性が非常に高くなっています。また暖房時には、エンジンの熱も利用できるため効率が良く、電気エアコンの3分の1の時間で部屋を暖めることが出来ます。またクリーンな灯油を使うため、環境にもやさしいシステムです。

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